昨日は、「三次市民ホール きりり」で行われた見学会・ミニシンポジウムに参加してきました。
建築学会主催の研究会だったのですが、近畿大学の谷川先生がコーディネーターをされるということで、お誘いを受け、参加させていただきました。




大ホール

前半の見学会では、4班に分かれて行われたのですが、設計者である青木淳さんご本人が説明してくださるということで、青木さんの班に同行させていただきました。
この建物の基本コンセプトは、「5m持ち上げる」「回廊」「使い倒す」と3つあるそうで、竣工までに紆余曲折があっても、プロポーザルで提案されたこの3つだけは、最後までブレることなく実現されたそうです。



エントランスへの階段は、半屋外空間。


中庭に面する回廊。

コスト管理が厳しかったらしく、既製のサッシを使わざるを得なかったとのことでしたが、止むを得ないサッシの見付65mmという寸法をあえてモジュールに使用することで、違和感のないデザインに仕上げた、といったことを青木さんご本人からお聞きすることができました。
こういった苦労話のほうが、非常に生々しく、誌面には現れない葛藤を垣間見た気がしました。





「回廊」の一部ですが、青木さんの言葉で言うところの「原っぱ」に当たる部分で、廊下のようで廊下でない、ウラ・オモテのない空間を表す象徴的な場所かもしれません。ご本人も気に入っている空間だと言ってらっしゃいました。





5m持ち上げられたピロティ。水害から免れるために、機能的に持ち上げられた駐車場ですが、ここで市を開くなどの催しが行われることも想定された空間となっています。


後半のミニシンポジウムでは、管理や運営の方の話も聞くことができ、大変有意義でした。
設計期間中のワークショップの話も聞くことができましたが、設計期間があまりに短く、ワークショップという名のヒヤリング程度しかできなかったとのことでした。設計だけでなく基本計画から携わらないと、本当に思ったことを実現することは難しいとも言われていました。

公共の施設なので、いろんな方の意見を組み入れないといけないのは当然のことなのですが、コストやプログラムなど発注・運営側の制約がない場合、青木さんはどんな建築を提案したのだろうか。本当の本音を聞いてみたかったなぁ。
まあ、建築とはそういったものを含めて初めて、建築たり得るのでしょうが。